一次検定、二次検定のそれぞれの問題を分析
2級電気工事施工管理技士になろうと思ったときに、試験問題について色々と知りたい!!!
「2級電気工事施工管理技士ってどのくらいの難易度なの?」「二次検定の記述式って難しいの?」「計算問題って多いの?」など問題について色々と知りたい。
そんな人のためにこの記事では2級電気工事施工管理の一次検定と二次検定の試験問題を分析しました。
一次検定と二次検定の出題形式と実際の問題から難易度やどう勉強したら良いか見えてくる記事になっています。
参考記事「1級電気工事施工管理技士【過去問分析】」
参考記事「【過去問分析】2級電気工事施工管理技士試験は過去問どれだけ勉強すれば合格できる??」
参考記事「【合格できる】2級電気工事施工管理技士の過去問を分析からわかるおすすめ勉強法」
基本方針
2級施工管理技術検定試験の前期試験は一次検定のみ
後期試験は一次+二次検定。
参考記事:「電気工事施工管理技士の受験資格、申込~受験~免状取得までの流れ2023年版」
一次検定合格しなければ二次検定受験できないわけではありません。
1回で一次と二次合格してしまえば1回で2級施工管理技士になれます。
1度で合格してしまうのが早いですし、試験も難しくないので、必ず1回の試験で合格しましょう。
あるいは前期で一次合格して、後期に二次検定を合格する1年で資格取得できるコースに乗りましょう。
2年目以降に二次検定合格は?
一次検定合格すると2級電気工事施工管理技士補となって
翌年以降にいつ二次検定合格してもOKです。
ただ、試験を受けるのはモチベーションが低下して二次検定の対策がやりにくくなります。
二次検定は一次検定と内容は重複しているので無駄に勉強することになります。
会社からも「資格取るのに何年かかるの?」なんて言われかねませんしおススメしません。
第一次検定の特徴
選択式の問題がほとんどです。
第一次検定の注意事項をみると
令和4年度 2級 電気工事施工管理技術検定 第一次検定(後期) 試験問題、正答肢・配点を元に一部加工
解答する問題を選べるので正解できる問題のみ解答することが大切です。
出題形式は四肢選択式または五肢選択式で難しくありません。
五肢択一式はNo.39~42の4問のみ。
マークシートに解答します。
制限時間は2時間30分。
合格点
6割、40問中24問正解できれば合格できます。
24問正解できれば合格できますし、問題の多くが回答するか否かを選べるので焦らずに解ける問題を解くことが大切です。
時間は2時間30分あるので十分に余裕があります。
また、選択問題が多いので、マークミスには気を付けましょう。
出題範囲
出題範囲は電気工学等(電気工学、電気設備、関連分野)、施工管理法、法規です。
電気工学 (電気理論、電気機器、電力系統、電気応用) | 12問中8問解答 |
電気設備 (発電設備、変電設備、送配電設備、構内電気設備、電車線、その他の設備) | 19問中10問解答 |
関連分野 (機械設備関係、土木関係、建築関係) 設計・契約関係は必ず解答しなければいけません | 6問中3問解答 (別で設計・契約関係は1問必答) |
施工管理法 (工事施工、施工計画、工程管理、品質管理、安全管理) | 4問必答 10問中6問解答 |
法規 (建築業法、電気関係法規、建築基準法、消防法、労働安全衛生法、労働基準法、その他関連法規) | 12問中8問解答 |
24問正解しなければいけない。
電気工学、電気設備、関連分野、施工管理法、法規の中に苦手分野は作らない方が良いですが、関連分野の中で土木関係は捨てる、勉強しないなどの選択はOK!!!
土木問題を解答しなければいいので、苦手分野をうまく捨てて勉強するという選択もOK。
ただし、難易度も高い問題も混じっているのでそれらの問題も解けるまでほかの分野を勉強する必要があるのでどう判断するか…
全ての分野を一通り勉強しておくのが一番合格には近道です。
一通り勉強していれば、わからない問題でも選択肢を4つから2つまで減らすことができる。そうなれば1/2の確率で正解できるのでおススメです。
例えば、土木関係を捨てるくらいならOKですが、法規全部捨てるなどはやめましょう。
苦手分野は選択肢を減らせる程度までの知識は持っておくのがおススメ。
施工管理法は4問必ず解答しなければいけない問題があるので全分野きちんと勉強しましょう。
参考記事「【過去問分析】2級電気工事施工管理技士試験は過去問どれだけ勉強すれば合格できる??」
参考記事「【合格できる】2級電気工事施工管理技士の過去問を分析からわかるおすすめ勉強法」
問題分析
実際に出題された令和4年度 2級 電気工事施工管理技術検定 第一次検定(後期) 試験問題を元にどういう特徴があって、どうしたら良いのかを見ていきましょう。
実際の問題(電気工学)
No.1は知っているかどうかの問題です。
答えは「2」のペルチェ効果。
No.2も知っているかどうかの問題です。
答えは「4」の「イのほうがヒステリシス損は小さい」
この2問とも知っていれば解けますが、どちらも難易度が高いので捨てて良い問題です。
知っていれば別ですが、知らなければ解かずに次の問題に行きましょう。
No.3はY結線では電圧が√3倍になる
ということを知っていれば得点できます。
答えは「1」です。
この問題は第二種電気工事士の基本的な内容で絶対に正解しないといけない問題です。
No.4はブリッジ回路の問題で検流計に電流が流れなくなった場合はブリッジが平衡した状態です。
抵抗の「たすき掛け」になります。
が成り立ちます。
問題に当てはめると
8Ω×12Ω=15Ω×
=6.4Ω
答えは「2」です。
この問題は第二種電気工事士の基本的な内容で絶対に正解しないといけない問題です。
計算問題はNo.3、4の2問だけで簡単です。
難しくないので捨てたり勉強しないというのはやめましょう。
実際の問題(電気設備)
No.13は汽力(火力)発電の仕組み、熱サイクルを理解して、再生サイクルと再熱サイクルという基本的なことを理解しておくことが大切です。
それを知らない場合はボイラー内なので「ア」は過熱器、「イ」は給水加熱器と常識で選択肢から判断できます。
再熱器は再熱サイクルで高圧タービンを回した後の蒸気を再加熱するため
復水器はタービンで使われた蒸気を冷やして水に戻す
とそれぞれ基本的な内容です。
答えは「3」です。
No.14は知らなくても常識的に判断すれば正解できる問題です。
単母線と二重母線は設備が単母線方式は1つしかなく、二重母線はそれが2つあると読んでわかります。
選択肢を読むと
「1の単母線方式は母線事故時に全停電となる」で母線が1つしかないので母線事故で全停電となるのは正しい。
「2の単母線方式は二重母線に比べ所要機器が多い」は母線が2つ必要なので、二重母線方式の方が所要機器が多くなりそうです。
「3の二重母線方式は機器の点検、系統運用が容易である」で二重母線は同じものが2つあるので、片方停電して作業ができるので機器点検や系統運用がしやすいので正しい。
「4の二重母線方式は上位系統の変電所で一般的に採用される」で二重母線方式の方が事故時の対応等で安全性が高いのはわかるので上位系統で採用されるのは、正しい。
「2」が間違っていて、「1、3、4」は正しい。
答えは「2」です。
わからない問題でも、選択肢をよく読んで常識的に判断することで正解できる問題があります。
No.15は過電流継電器についての問題ですが、実務がわからないと難しい。捨てて違う問題を解いてもOKです。
選択肢を読んでいくと
「1の入力電流が整定値以上になると動作する」、「3の短絡保護や過負荷保護などに用いられる」が正しいのは勉強していればわかります。
「2の継投が複雑になると時限整定が困難になる」が正しいですが、ここまで勉強できていない人がほとんどです。
「3の短絡保護や過負荷保護に用いられる」のは正しいです。
選択肢で迷って難しいので違う問題を解答してもOK。
過電流の方向はわからないので間違い。
答えは「4」です。
No.16は知っていれば解ける問題です。
「3の引込用ビニル絶縁電線」は低圧用なので間違いです。
出典:KANZACCより
この写真をみると低圧用で使われているものだとわかりますけど、文字だけだとわかりにくいですし、実際に外線工事やっていないとわからないって人は多いでしょう。
答えは「3」です。
No.17は絶対に知っておかないといけない問題です。
スペーサは多導体で短絡電流による電磁吸引力や強風により電線相互が接近や接触することを防止するために電線相互の間隔を保持する目的で取り付けます。
ダンパは電線が風で振動してより線が破断するのを防ぐために振動防止目的で取り付けます。
クランプは電線を鉄塔等に支持するための金具。
この3つは必ず覚えておきましょう。
答えは「1」です。
実際の問題(関連分野)
No.32は正解したい問題です。
水道直結増圧方式について知っている人であれば正解できる問題です。
わからない人でも、選択肢を読むと
「1の給水本管の水圧変動に応じて給水圧力が変化する」のはおかしいと気づきます。
これが間違いです。
電気工事施工管理技士になろうとする人で元々電気系の人は給水設備についてはさっぱりわからないと思いますし、建築系の人であれば絶対に知っている内容といえる問題です。
電気系の人は基本的な内容で良いので覚えることと、問題文を読んで判断しましょう。
答えは「1」です。
必ず答えなければいけない問題
No.38は必ず解答しなければいけない問題で、設計・契約関係からの出題です。
知っていれば正解できますが、知らなければ勘に頼るしかない問題。
チャイムの図記号は
答えは「4」です。
実際の問題(施工管理法)
No.39~42までの必ず解答しなければいけない問題で五肢択一式です。
No.39は仮設計画についてです。
施工管理法は出題数13に対して解答数9と多いので必ずすべての分野勉強しましょう。
仮設計画は「一般には設計図では示されず、場合によっては仕様書、説明事項などの注意、要望が示される程度のもので、主として受注者がその責任において計画するもの」
ちなみに仮設以外に施工方法その他工事目的物を完成するために必要な一切の手段(施工方法等)も受注者の責任において計画されます。
とあるので「3の仮設計画を発注者がその責任において定める」が間違いです。
答えは「3」です。
No.40は工事費と施工期間についてです。
わからない人は選択肢の3~5と図を見比べたときに
「3の施工期間3か月の時の総費用は約300万円である」が間違いだとわかります。総費用は600万円くらいかかっています。
直接工事費、間接工事費の説明や工事費と施工期間の図は参考になるので覚えておきましょう。
答えは「3」です。
No.41のネットワーク工程表の問題です。
よく出るので考え方を理解して必ず正解できるように勉強しましょう。
A→Dで④に7日かかりますが、Cからのルートで④に10日かかるのでクリティカルパスは①→③となります。
同じように考えていくと
答えは「4」です。
選択式の問題
No.43は施工計画書について、絶対に正解しなければいけない問題です。
施工計画書がどういうものか知っていればわかりますし、問題文を読めば
「3の施工技術を習得する」がおかしいと気づきます。
答えは「3」です。
No.44はできれば正解したい問題です。
工程管理についてわかっていれば総合工程表が「仮設工事から完成時の試運転調整、片付けまでの全工程を表すもの」とわかります。
答えは「2」です。
No.50は金属線ぴ管について一種金属製線ぴなので、メタルモールです。
出典:外山電気様HPより
第二種電気工事士試験を受けた人なら何となくでも覚えているはず…
「1の絶縁電線」は正しい。
「2の電線に接続点を設けず」は正しい。二級金属線ぴ管(レースウェイ)は容易に点検できれば接続点を設けることは可能です。
「3の乾燥した点検できる隠ぺい場所」は正しい。
「4の終端部を開放」していてはダメで終端部はエンドキャップがあるので閉塞してください。
答えは「4」です。
実際の問題(法規)
No.53は建築業許可に関する問題です。
知っているかどうかで正解できるかどうかの問題です。
国土交通大臣と都道府県知事の許可の違いは二以上の都道府県で営業所を設ける場合は国土交通大臣の許可。
一つの都道府県内なら都道府県知事の許可となります。
「4の区域の制限」は違います。
答えは「4」です。
No.56は特定電気用品のマークでPSEマークと言われます。
知っていれば正解できる問題でぜひ正解したい問題です。
答えは「1」です。
No.61は安全管理者についてです。
安全管理者を選任したときは労働基準監督署長に届け出ます。
答えは「2」です。
安全管理者以外に統括安全衛生管理者、衛生管理者、安全衛生推進者、産業医、作業主任者、統括安全衛生責任者、元方安全衛生管理者、店社安全衛生管理者、安全衛生責任者、安全委員会、衛生委員会、安全衛生委員会、の違い、役割などを整理して覚えておきましょう。(電気工事施工管理技術テキスト【改訂第4版】P699の一覧表はわかりやすくておススメ)
法規は知っているかどうかでほかの分野みたいに読んで選択肢を減らすなどができません。
より確実に覚えるようにしましょう。
第二次検定の特徴
問題は5問すべて解答です。
第二次検定の注意事項をみると
令和4年度 2級 電気工事施工管理技術検定 第二次検定 試験問題を元に一部加工
問題4、5は四肢択一式です。
参考記事「【過去問分析】2級電気工事施工管理技士試験は過去問どれだけ勉強すれば合格できる??」
参考記事「【合格できる】2級電気工事施工管理技士の過去問を分析からわかるおすすめ勉強法」
合格点
60%得点できれば合格できます。
問題1-3は記述式で配点は公表されていないので、記述式もある程度書けていないとダメでしょう。
出題内容はある程度形式化されているのできちんと対策すれば合格できます。
出題範囲
一次検定と同じ電気工学等(電気工学、電気設備、関連分野)、施工管理法、法規です。
一次検定の勉強をきちんとしておけば解ける問題です。
特に法規は丸暗記が必要なのでしっかり勉強しましょう。
問題分析
実際に出題された令和4年度 2級 電気工事施工管理技術検定 第二次検定試験問題で見ていきましょう。
問題1は毎年ほぼ決まった出題です。
事前に完璧に準備できる内容なので準備していきましょう。
特に1-2の工程管理なので、工程が予定から遅れる理由(必要資材の納期遅れ、関連工事との調整不足、他業種作業との競合での手待ち、施工図等の承認遅れなど)があり、もっと具体的に土木の工程が〇日遅れて調整した、施工図の遅れで工程を組み替えて対応したなどです。
この時に工程管理上「留意した事項とその理由、そして対策または処置を具体的に書く」とあるので、何に留意して、例えば他業種の作業協調。そしてどういう対処、対策は人員の増員で対応して納期を間に合わせたなど
もっと具体的に自分の経験を書けると良いでしょう。
内容の具体的記述で過去問を中心何度も勉強するのが良い。
特に安全管理は頻繁に出題されます。
必ず解答を書くようにしましょう。
書いていないと本番で漢字が書けない、字が出てこないなどがあります。
2つ選べるので書きやすいものを選んで書きましょう。
高圧受電の単線結線図は毎年出るので必ず覚えましょう。
「ア」は断路器、略称はDS
機器の機能は、無負荷状態の充電された電路を開閉分離するために用いられる機器です。保守点検時、回路切り替え時に使われます。
内容の具体的記述で過去問を中心何度も勉強するのが良い。
必ず解答を書くようにしましょう。
書いていないと本番で漢字が書けない、字が出てこないなどがあります。
2つ選べるので書きやすいものを選んで書きましょう。
RLC直列回路で簡単です。
必ず得点できます。
インピーダンスは5Ωなので
電流はオームの法則(電圧100V、インピーダンス5Ω)より20A
cosθは底辺/斜辺です。
有効電力P=VIcosθ=100×20×=1600W
答えは「3」です。
変圧器の効率の問題です。
変圧器の効率は
で求められます。
損失は無負荷損と負荷損を合算したものです。
無負荷損は鉄損でヒステリシス損と渦電流損が主。
負荷損は銅損。
問題の効率は
90%となります。
答えは「1」です。
アは必要な知識及び技術
イは技能の向上
知っていなければ解けないタイプの問題です。
答えはアが「2」、イが「3」です。
アは最低基準を守るだけでなく
イは安全と健康を確保する
答えはアが「3」、イが「1」です。
アは作業に従事する者
イは災害の発生の防止に寄与
答えはアが「1」、イが「2」です。
問題5は法律の用語を当てはめる問題ですが、知っていないと解けないのできちんと勉強しましょう。