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電気工事士試験で求められる数学

電気工事士試験で必要な数学

電気の資格に詳しい人
電気工事士試験で必要となる算数、数学の知識で四則計算(足し算、引き算、かけ算、割り算)、比の計算、分数、平方根、指数、一次方程式、円周率と角度、三角比、三角関数、ベクトルを解説しています。

電気工事士試験で求められる算数、数学はどのレベル何でしょうか?

電気工事士で求められる数学のレベルはそこまで高くありません。

この記事では電気工事士試験で必要となる算数、数学の知識で四則計算(足し算、引き算、かけ算、割り算)、比の計算、分数、平方根、指数、一次方程式、円周率と角度、三角比、三角関数、ベクトルを解説しています。分数と三角比、三角関数、ベクトルはそれぞれ実際の問題からどのように使うのか詳しく解説しています。平方根と指数は必要な公式を紹介しており、電気工事士試験で必要となる数学の知識を網羅しています。

分数はよく使うので覚えましょう。
三角関数やベクトルは難しく感じますが、このページで紹介する問題とほぼ同じ内容が必要なので難しくありません。

電気工事士試験で求められる数学は基本的な内容で必要な公式を使い問題を解けば得点できます。

四則計算(足し算、引き算、かけ算、割り算)

足し算、引き算、かけ算、割り算は誰もが小学生のときに勉強した内容です。

足し算は

3+5=8

 

引き算は

7-3=4

 

かけ算は

3×5=15

 

割り算は

9÷3=3

 

というような計算です。

 

比の計算

a:bの比の値はa÷bで求められます。

a:b=c:d=ad=bc

比の計算は良く使います。

 

分数

分数とは

「1つの物を、何個に切ったうちの何個分」と表すことができる数字です。

例えば、1枚のピザを4等分した場合

ピザ4等分

1枚のピザを4個に分けて1個だけ取ると

1/4の説明

と表します。

ピザ1枚そのままだと

4/4と表します。

 

分数の計算方法

分数の足し算と引き算は分母を共通にして計算します。

かけ算はそのまま計算。

割り算は分母と分子をひっくり返してかけ算で計算します。

分数はよく使うので必ず覚えましょう。

 

分数の足し算と引き算

5分の1足す5分の2イコール5分の3

分母が共通の場合はそのまま足したり引いたりできます。

2/3-3/1=3/1

分母が3と同じなのでそのまま計算できます。

 

分母が違う場合は分母を最小公倍数で共通にしましょう。

分母が違う分数の足し算

 

分数の掛け算

分数のかけ算

分母と分子をそのまま掛けます。

 

分数の割り算

分数の割り算

分母と分子をひっくり返して掛け算で計算します。

 

実際の問題例

第2種電気工事士令和3年上期午後問1

第2種電気工事士令和3年上期午後第1問より

【解答】

20Ωと30Ωの並列での合成抵抗を求める場合は

R1×R2/R1+R2

と求めます。

よりわかりやすく書くと

積/和

この計算方法は並列抵抗が2個の場合のみ使えます。

合成抵抗は

20×30/20+30=600/50=12

回路全体での抵抗は12+8=20Ω。

回路に流れる電流は

電流I=200V/20Ω=10Aとなります。

直流回路の消費電力は

P=I2乗R

8Ωでの消費電力は

10×10×8=800W。

 

平方根

平方根は2乗(同じ数を2回掛ける)するとaとなる数字をaの平方根で

√a

と表します。

ルートa2乗イコールa

なので、ルート4イコール2となります。

ルートa2乗bイコールaルートb

が成り立ちます。

 

よく使われる平方根と公式集

電気工事士試験では√2√3を使います。

√2は交流電圧の最大値、実効値を求める場合に使います。

最大値の求め方実効値の求め方
最大値(141V)=実効値(100V)×√2実効値(100V)=最大値(141v)/√2

100Vの電源の場合は実効値100V、最大値141Vです。

 

√3は三相3線式の回路で電圧降下、スター結線(Y結線)の線間電圧を求める場合に使います。

三相3線式の回路で電圧降下を求め方スター結線(Y結線)の線間電圧の求め方
v=√3ir

v:電圧降下

I:電線に流れる電流

r:電線の抵抗

vp=vl/√3

vp:相電圧

vl:線間電圧

 

指数

指数の指数例、aのm乗はaがm個掛けたものです。

2の2乗(2の2乗)は2を2回掛けた数で2×2=4

2の3乗(2の3乗)は2×2×2=8

インピーダンスZ、直流回路による消費電力の公式などで使います。

直流回路による消費電力の公式インピーダンスZ
P=I2乗R

P:消費電力

I:電流

R抵抗

Z=√R2乗+(xl-xc)2乗

Z:インピーダンスZ

R:抵抗

XL;コイルの誘導性リアクタンス

XC:コンデンサの容量性リアクタンス

インピーダンスはベクトルの項目で詳しく説明。

 

一次方程式

x-2=3

というような方程式が一次方程式です。

 

解き方

x-2=3の-2を右辺に移動させる

x=5

 

3x+3=2x+7

左辺にxを集めます。

3x-2x=7-3

x=4

 

 

円周率と角度

円周率は小学校で学びましたが、3.14です。(時代によっては3の人もいますが)

円周率3.14をよく数学でπと表すことがあります。

 

角度

角度は度数法と弧度法の2種類で表すことがあります。

度数法は円周を360等分した弧の大きさを表す方法で、30°などです。

弧度法は円の半径rと円の弧の長さlが等しいときの中心角θを1〔rad〕と表す方法です。

弧度法、θ=l/r

180°=π

となるため、弧度法だと

30°=1/6π

となります。

 

立体角

弧度法を三次元に拡張した考え方で立体角があります。

立体角は空間の広がりの度合いを表すものでsrです。

球の半径がrのとき、球の表面積Sがrの2乗と等しくなるときに立体角ωを1〔sr〕と表します。

ω=S/r2乗

立体角の円の図

球の表面積は

4πr2乗

なので、

球全体の立体角は

ω=4πr2乗/r2乗=4π

 

三角関数

三角比

直角三角形において、直角と向かい合う最も長い辺を斜辺、直角でない1つの角度の大きさをθとすると、角度θと隣り合う斜辺でない辺を隣辺(底辺)、角度θと向かい合う辺を対辺といいます。

斜辺、隣辺、対辺の関係

斜辺、隣辺、対辺の関係からsinθ、cosθ、tanθは

sinθ=隣辺/斜辺=b/c

cosθ=対辺/斜辺=a/c

tanθ=隣辺/対辺=b/a

 

ピタゴラスの定理(三平方の定理)

ピタゴラスの定理(三平方の定理)

の直角三角形のときに

斜辺cは

c2乗=a2乗+b2乗

c=√a2乗+b2乗

が成り立ちます。

ピタゴラスの定理はとてもよく使うので必ず覚えましょう。

 

知っておいて得する直角三角形の辺の関係

30°、60°の直角三角形の比

30°、60°、90°の直角三角形の各辺の比

45°の直角三角形の比

45°の直角三角形の比

3:4:5の長さの直角三角形

3:4:5の直角三角形

例えば、sin30°、cos30°は

sin30°、cos30°

 

三角関数

x、y座標上に原点Oを中心とする半径1の円(単位円)を考え、円周上のθ回転した点P(x、y)をとると、

点Pのx座標はcosθ、y座標はsinθと表します。

x,y座標上のsinθ,cosθ

θ=60°のとき

sinθ=√3/2

cosθ=1/2

点P(x,y)=(√3/2,1/2)

 

sinθはy軸、cosθはx軸に数字となるため、

sinθはyが+のときに、+になります。

sinθの+-

cosθはxが+のときに、+になります。

cosθの+-

三角関数のグラフ

sin、cosのグラフ

sinθ、cosθの+、-の図から

sinθのグラフ

sinθのグラフ

θ90°180°270°360°
sinθ010-10

cosθのグラフ

cosθのグラフ

θ90°180°270°360°
cosθ10-101

 

sin、cosいずれのグラフも360°(2π)ごとに同じ波形で繰り返します。

 

ここら辺までは理解しとかないといけません。

ここから後は理解していなくても試験は合格できますよ。

 

三角関数と交流波形

交流波形は角周波数ω〔rad/s〕、時間t〔s〕を使って表されます。たとえば、電流の最大値(波高値)Imとすると、

電流の値は

電流i=Imsinωt

で表されます。図で表すと

交流波形

 

位相の進みと遅れ

交流波形では位相のズレを考えるので

i=Imsinωtを①とすると

①がφだけズレると

i=Imsin(ωt+Φ)

i=Imsin(ωt-Φ)

で表されます。

 

グラフにすると

i=Imsinωtが+Φ、-Φそれぞれズレた場合の図

①のi=Imsinωtのグラフが②は+Φだけズレ、③は-Φだけズレています。

 

①のt=0よりも②は+Φだけ位相が進んでいます。

③は①に比べ、-Φだけ位相が遅れています。

 

ベクトル

ベクトルとは、力や速度のように大きさと向きを持っている量のこと。

線分OAにおいて、始点をO、終点をAとすると

→OAAで表します。

ベクトルについて

Aは大きさと向きを表す。

電気ではAで表記します。

 

ベクトルの足し算

足し算は平行四辺形あるいは三角形を作ることでベクトルを足し合わせることができます。

平行四辺形のほうがイメージしやすいです。

ベクトルA+ベクトルB

 

ベクトルの引き算

引き算はA-B=A+(-B)と考えます。

ベクトルA-ベクトルB

Bの逆ベクトル-Bを描いて、A-Bを足すことで、A-B=A+(-B)という計算をする。

 

ベクトルの足し算は平行四辺形、引き算は逆ベクトルの平行四辺形を作る。

 

ベクトルの座標表示

始点を原点Oとしたベクトルを①ベクトルといいます。

直交座標の位置ベクトルはx,yそれぞれの軸を用いてA=(a,b)と表せます。

これをベクトルの直交座標表示といいます。

A=(a,b)のベクトルの直交座標表示

ベクトルAの大きさはピタゴラスの定理よりA=√a2乗+b2乗となります。

直交座標の例

横に1、縦に√3いくケース。

 

実際の問題例

第2種電気工事士令和3年上期午後問4

第2種電気工事士令和3年上期午後第4問より

【解答】

抵抗とリアクタンスを合わせた合成抵抗をインピーダンスZといいます。

インピーダンスZは直流回路の抵抗と同じように交流回路での電流の流れにくさを表すものです。

交流回路において、コイル(誘導性リアクタンス)は入力電圧に対して、90°位相が遅れます。

コイルは90°遅れます

コンデンサ(容量性リアクタンス)は入力電圧に対して、90°位相が進みます。

コンデンサは90°進みます

交流回路でもオームの法則が成立して、

Z=v/i

で表されます。

インピーダンスZは抵抗、容量性リアクタンス、誘導性リアクタンスから構成されます。

問題の場合は

インピーダンスを求める場合

インピーダンスZは

Z=√8の2乗+6の2乗=10

 

なお、リアクトルがコイルとコンデンサ2つともある場合は

誘導性リアクトル(コイル)と容量性リアクトル(コンデンサ)は180°ずれるため、直角三角形の一辺に引き算をします。

xc-xlの場合のインピーダンスの直角三角形

直角三角形を作って、ピタゴラスの定理を使うところは同じです。

三角関数やベクトルはこれらが問われるだけで難しくありません。

 

電気工事士試験で数学をどう対策すべきか

電気工事士試験は60点(30問)正解できれば合格できますが、計算問題が10問20点程度あるので計算問題を捨てるのではなく得点源とするのが合格への近道です。

電気工事士試験で求められる数学は基本的な内容でこのページで紹介されたレベルです。

必要な公式を使い問題を解けば得点できます。

難しい内容はなく、覚える量も少ないのできちんと学習して計算問題を得点源にしましょう。

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