・受験資格
・実務経験
・実務経験の注意点
・実務経験を短縮する方法
・実務経験なくて電気工事施工管理技士になる方法
・監理技術者講習について
・監理技術者資格者証の申請
電気工事施工管理技士の受験資格で実務経験が必要と言われても「よくわからない」「複数の会社にまたがる場合は?」「実務経験の年数長いけど短縮できないの?」
「合格後の監理技術者講習ってどこでやっているの?」「監理技術者講習と監理技術者資格者証の発行って別なの?」など
電気工事施工管理技士になるために、なった後のことを調べたとき、どうしてもわかりにくいところってあります。
この記事では、電気工事施工管理技術検定試験の「受験資格」「実務経験」「実務経験の注意点」「実務経験を短縮する方法」「実務経験なくて電気工事施工管理技士になる方法」「監理技術者講習について」「監理技術者資格者証の申請」について紹介しています。
受験資格について
電気工事施工管理技術検定は誰でも受験できる試験ではありません。
1級と2級で期間は違いますが実務経験が求められます。
電気工事施工管理技術検定について詳しくは「電気工事施工管理技士の受験資格、申込~受験~免状取得までの流れ2023年版」を参考にしてください。
1級電気工事施工管理技士の受験資格
一次検定+二次検定を申込場合の受験資格です。
学歴または資格 | 実務年数 | |
指定学科 | 指定学科以外 | |
大学、専門学校の「高度専門士」 | 卒業後3年以上 | 卒業後4年6カ月以上 |
短期大学、高等専門学校(5年生)、専門学校の「専門士」 | 卒業後5年以上 | 卒業後7年6カ月以上 |
高等学校、中等教育学校(中高一貫校)、専門学校の「専門課程」 | 卒業後10年以上 | 卒業後11年6カ月以上 |
その他(学歴問わず) | 卒業後15年以上 | |
第一種、第二種または第三種電気主任技術者免状の交付を受けた者 | 6年以上(交付後ではなく、通算での実務経験年数) | |
第一種電気工事士免状の交付を受けた者 | 実務経験不問 | |
2級電気工事施工管理技術検定第二次検定合格者 | 合格後5年以上 |
2級電気工事施工管理技士で実務年数5年未満の者は
短期大学、高等専門学校(5年制)、専門学校の「専門士」 | 卒業後3年以上 | 卒業後9年以上 |
高等学校、中等教育学校(中高一貫校)、専門学校の専門課程 | 卒業後9年以上 | 卒業後10年6カ月以上 |
その他(学歴問わず) | 卒業後14年以上 |
実務経験で1年以上の指導監督的実務経験を含むことが必要なので注意しましょう。
第一種電気工事士は免状のみです。ただし、第一種電気工事士の資格取得に実務経験が3年以上必要です。
実務経験を短縮できるケース①
高等学校、専門学校専門課程の指定学科を卒業後、5年以上の実務経験した場合あるいは2級電気工事施工管理技術検定の二次検定合格者などは主任技術者となれます。
その場合
「主任技術者の要件を満たした後、専任の監理技術者または特例監理技術者の配置が必要な工事に配置され、当該監理技術者の指導を受けた2年以上の実務経験を有する方は、実務経験年数の2年短縮が可能です。」
専任の監理技術者は発注者から直接建設工事を請け負った特定建設業者は、その工事を施工するために締結した下請契約の総額が4,000万円以上となる工事の場合は、監理技術者を配置しなければなりません。(選任となるのは、請負金額が3,500万円以上のもので、①国、地方自治体等が発注する公共的工作物の電気工事、②電気事業用施設、③学校、デパート等のように多数の人が利用する施設の電気工事)
特例監理技術者は主任技術者要件を満たす1級電気工事施工管理技士補を監理技術者の職務を補佐する者として工事現場に専任で配置する場合には、二つまでの工事現場の監理技術者を兼務できるとされています。このときの監理技術者を特例監理技術者と称します。
必要な実務経験があれば
受験資格 | 短縮後の実務経験 |
高等学校、専門学校の「専門課程」の指定学科 | 8年以上 |
2級電気工事施工管理技術検定第二次検定合格+実務経験5年以上 | 3年以上 |
短縮ができます。
実務経験を短縮できるケース②
建設業法に規定されている『専任の主任技術者』の配置が義務づけられている工事において専任の主任技術者を1年(365日)以上経験し、必要書類をすべて提出できる方に限り、実務経験年数の2年短縮が可能です。
主任技術者は
- 高等学校、専門学校専門課程の指定学科を卒業後、5年以上の実務経験した場合
- 建設工事に関し10年以上実務経験を有する者
- 2級電気工事施工管理技士を取得した者
- 1級電気工事施工管理技士を取得した者
- 大学、高等専門学校、専門学校「高度専門士」及び「専門士」の指定学科卒業後に実務経験を3年以上有する者
のうち①~③のケースでは、実務経験が短縮できます。
専任の主任技術者とは、工事一件の請負金額が3,500万円以上のもので、①国、地方公共団体等が発注する公共的工作物の電気工事、②電気事業用施設、③学校・デパート等のように多数の人が利用する施設の電気工事で、「他の工事現場の主任技術者との兼任を認めないこと」であり、常時継続的に当該建設工事現場に配置されている場合です。
必要書類は
- 専任の主任技術者実務経験証明書
- 工事請負契約書(写)
- 施工体系図(写)
- 現場代理人主任技術者選任届等(写)
- 建設業許可通知書(写)
これらの書類を準備し、実務経験があれば
受験資格 | 指定学科 | 指定学科以外 |
高等学校、専門学校の「専門課程」 | 8年以上 | 9年6カ月以上 |
その他(学歴問わず) | 13年以上 | |
2級電気工事施工管理技術検定第二次検定合格者+実務経験5年以上 | 3年以上 | |
2級電気工事施工管理技術検定第二次検定合格者+実務経験5年未満、短期大学卒業 | – | 7年以上 |
2級電気工事施工管理技術検定第二次検定合格者+実務経験5年未満、高校卒業 | 7年以上 | 8年6カ月以上 |
2級電気工事施工管理技術検定第二次検定合格者+実務経験5年未満、その他 | 12年以上 |
短縮ができます。
2級電気工事施工管理技士の受験資格
一次検定+二次検定を申込場合の受験資格です。
学歴または資格 | 実務年数 | |
指定学科 | 指定学科以外 | |
大学、専門学校の「高度専門士」 | 卒業後1年以上 | 卒業後1年6カ月以上 |
短期大学、高等専門学校(5年生)、専門学校の「専門士」 | 卒業後2年以上 | 卒業後3年以上 |
高等学校、中等教育学校(中高一貫校)、専門学校の「専門課程」 | 卒業後3年以上 | 卒業後4年6カ月以上 |
その他(学歴問わず) | 8年以上 | |
第一種、第二種または第三種電気主任技術者免状の交付を受けた者 | 1年以上(交付後ではなく、通算での実務経験年数) | |
第一種電気工事士免状の交付を受けた者 | 実務経験不問 | |
第二種電気工事士免状の交付を受けた者 | 1年以上(交付後ではなく、通算での実務経験年数) |
電気工事施工管理技士になるためには実務経験が必須です。
指定学科
指定学科であれば実務経験年数は少なくて済みます。
指定学科は電気科以外も対象です。
機械科、土木科、建築科、電気通信科なども対象です。
詳細について1級施工管理技士はこちら、2級施工管理技士はこちらです。
実務経験について
申込時に必要な実務経験は「工事現場」で「施工管理、設計監理、施工監督」です。
実務経験とは
電気工事施工管理技術検定で実務経験と認められる工事の種別、工事内容
- 構内電気設備工事(非常用電気設備を含む)
- 発電設備工事
- 変電設備工事
- 送配電線工事
- 引込線工事
- 照明設備工事
- 信号設備工事
- 電車線工事
- ネオン装置工事
いわゆる電気工事をしていることが条件となります。
認められる工事現場における従事した立場
- 施工管理(受注者の立場で施工を管理(工程管理、品質管理、安全管理等を含む)した経験)
- 設計監理(設計者の立場での工事監理業務の経験)
- 施行監督(発注者側の立場で現場監督技術者等としての工事監理業務の経験)
実際に仕事として施工管理をしている人なら問題ありませんが、仕事で日頃工事に関わらないけど、資格を取ろうとする人はよく注意してください。
必要な実務経験は電気工事で「工事現場」で「施工管理、設計監理、施工監督」に従事していることなので、例えばメーカーの実働部隊で資格が必要な人は十分注意してください。
実務経験と認められる工事と認められない工事、業務内容
実務経験として認められるのは電気工事です。
そのためで実務経験として認められない工事などは
発電機・変圧器等の電機・電器メーカーの機器製造業務、通信設備工事(インターホン設備など)、電気通信工事(放送設備工事など)、機械器具設置工事(プラント設備工事など)、管工事(冷暖房設備工事など)、消防設備工事(屋内消火栓設備工事など)、熱絶縁工事(化学工業等の設備の熱絶縁工事など)その他の建築工事、土木工事、大工工事など
実務経験と認められない業務
- 工事着工以前における設計者としての基本設計、実施設計のみの業務
- 設計、積算、保守、点検、維持、メンテナンス、事務、営業などの業務
- 工事現場の事務、積算、営業等の業務
- 工事における雑役務のみの業務、単純な労働作業など
- 研究所、教育機関、訓練所等における研究、教育または指導等の業務習
- 据付調整を含まない工場製作のみの工事、製造及び修理
- 入社後の研修期間
- 人材派遣による建設業務(土木、建築その他の工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊もしくは解体の作業またはこれらの準備の作業に直接従事した業務は、労働者派遣事業の適用除外の業務のため不可。ただし電気工事の施工管理業務は除く)
実務経歴での注意点
- 1級電気工事施工管理技術検定を受験する実務経験では1年以上の指導監督的実務経験が必要です。
- 算定基準
1級と2級前期は3月末までに実務経験を満たすことが条件です。
2級後期は7月末までに実務経験を満たすことが条件です。
- 同じ検定種目にかかる複数の工事を担当していて期間重複がある場合
1月~10月までA工事(電気工事)と8月~12月までのB工事(電気工事)
複数の工事を担当している期間に重複がある場合、重複部分を二重に計上して、電気工事の実務経験を14 ヶ月とすることはできません。実務経験は12 ヶ月となります。
- 異なる検定種目にかかる複数の工事を担当していて期間重複がある場合
1月~10月までA工事(建築工事)と8月~12月までのB工事(電気工事)
異なる検定種目にかかる工事の担当期間に重複がある場合は、実際の工事の従事割合(例えば日数等)に応じて按分してください。
- 職業訓練と実務経験
1年間受講する職業訓練を実務経験と申請できる場合があります。条件や認定を受けている職業訓練校など詳しいことはこちら
実務経歴証明書の書き方
実務経歴証明書の書き方と言っても、電気工事士や電気主任技術者のように細かいことを書く必要はありません。
出典:1級電気工事施工管理技術検定受験の手引きより
会社に在籍していることを書く、実務経験として工程管理・品質管理・原価管理・安全管理で行った仕事内容を書くくらいです。
これらを書いた上で今の会社で証明してもらうために「証明者」にサインしてもらいましょう。
過去の会社の経験も含めて、現在の勤務先の証明でOKです。
働いていなくても実務経験は取れるのか?
2級電気工事施工管理技士を大学、専門学校の「高度専門士」の指定学科卒業した場合、必要な実務経験は1年です。
1年間職業訓練を受けると2級電気工事施工管理技術検定を受験できます。
この場合は実務経験なしで2級電気工事施工管理技士になれます。
職業訓練校はこちらを見てください。
合格後の監理技術者講習について
合格したら、国土交通省へ交付申請手続きに行い『合格証明書』を交付してもらいましょう。
その後は監理技術者講習を受講し、監理技術者資格者証を申請します。
監理技術者とは元請負の特定建設業者が当該工事を施工するために締結した下請契約の請負代金総額が4,000万円以上(建築一式工事は6,000万円以上)になる場合に当該工事現場に専任で配置される、施工の技術上の管理をつかさどる技術者のことです。
公共工事では必須ですが、重要な民間工事でも監理技術者が必要なので、仕事上持っている人が絶対に必要となります。
監理技術者講習
監理技術者講習は1日。全国6社で実施されています。
オンライン講習あり、全国57都市、郵便申込10,000円(インターネット申込9,500円)
オンライン講習あり、全国330会場、9,500円(インターネット申込)
郵便申込9,800円(インターネット申込9,500円)
8,500円
全国47都道府県開催、郵便申込9,500円(インターネット申込9,000円)
郵便申込10,000円(インターネット申込9,500円)
都合の合うところを選んで申し込んでください。
監理技術者資格者証の申請
監理技術者講習を受講したあとに、監理技術者資格者証を申請します。
監理技術者講習を受けただけでは、監理技術者資格者証が発行されません。
監理技術者資格者証の申請は
インターネット申込と郵送申込があります。
必要書類は
- 資格者証交付申請書(写真1枚を申請書の1枚目に貼付)
- 建設業許可の通知書のコピー又は建設業許可証明書のコピー
- 建設業者と申請者が「直接的かつ恒常的な雇用関係」にあることが確認できる書類(健康保険証のコピーなど)
- 交付等手数料払込受付証明書を貼った振替払込受付証明書提出用台紙(7,600円分)
- 資格者証送付用封筒 (同封の「簡易書留」と書かれた長3封筒が必要)
- 本人を確認できる有効な書面のコピー(運転免許証など)
- 監理技術者講習修了履歴ラベルの拡大コピー、又は監理技術者講習受講証明書のコピー