・機械の特徴と試験の各種データ
・過去問とその攻略法
機械をどんな科目だと思っていますか?初学者には難しい、わかりにくいと思っていませんか?
実は機械という科目は合格率は低くなく、よく出る分野も決まっていて学習しやすい科目です。
この記事では、機械が難しいと言われる理由機械の特徴と試験の各種データ、過去問とその攻略法について書いてあるので機械の特徴と攻略法を掴みましょう。
機械が難しいと言われる理由
「機械」が難しいとよく言われます。
②出題分野が多い。
③「機械」でよく出題される直流機、変圧器、誘導機、同期機のいずれも現物を見る機会は少なく、何がどう動いてどうなるのかがイメージできない。
「機械」の勉強を進めていくためには「理論」の内容を正しく理解しておく
よく出題される直流機、変圧器、誘導機、同期機は「理論」の内容と関連があります。直流機、変圧器、誘導機、同期機は直流回路、交流回路、三相交流回路、電磁力の知識は必須で、「理論」の内容をわかっていないと機械の勉強は中々進みません。
パワーエレクトロニクスも「理論」の電子回路と関わってお、こちらも「理論」の勉強は必須と言えます。
出題分野が多い
理論 | 直流回路、静電気、電磁力、交流回路、三相交流回路、電気電子工学、電子回路,電気・電子計測の8分野 |
電力 | 水力、火力、原子力、太陽光や風力のその他の発電所、変電所、送電、配電、地中配電路、電気材料の9分野 |
機械 | 直流機、変圧器、誘導機、同期機、電動機応用、パワーエレクトロニクス、照明、電熱と電気加熱、電気化学、自動制御、情報の11分野 |
法規 | 電気関係の法規、電気設備技術基準とその解釈、電気施設管理の 3分野 |
機械は11分野と多くの分野から出題されていること、照明や電気化学のように関係が薄い分野もありうまく勉強を進められないからです。
よく出る分野は決まっていて直流機、変圧器、誘導機、同期機、パワーエレクトロニクス、情報を重点的に勉強することが合格に近づきます。
直流機、変圧器、誘導機、同期機のイメージがしにくい
テキストで絵はあっても実際に機械が動くシーンを見るわけではないので中々イメージしにくいです。
対策はyoutube等の動画に誘導機などの解説動画があるので、動画をみて勉強してみることをおススメします。
誘導電動機の仕組みとは
変圧器が機能する仕組みとは
直流モーターの仕組みとは
機械の出題範囲
「直流機」、「変圧器」、「誘導機」、「同期機」、「電動機応用」、「パワーエレクトロニクス」、「照明」、「電熱と電気加熱」、「自動制御」、「情報」、「電気化学その他」の11分野から出題されます。
特に直流機、変圧器、誘導機、同期機とパワーエレクトロニクス、情報は頻出で、この分野を中心に勉強していくことをおススメします。
それ以外の分野はその分野でしか使わない計算方法、図記号などが出てきます。整理して暗記したほうがいいでしょう。
受験者数、合格率、合格基準点のデータ
受験者数、合格率などの科目でのデータ
試験データ
平成28年 | 平成29年 | 平成30年 | 令和元年 | 令和2年 | |
受験申込者 | 62,835 | 58,018 | 54,992 | 53,217 | 47,462 |
受験者 | 36,612 | 32,850 | 30,656 | 29,975 | 26,636 |
合格者 | 8,898 | 5,354 | 5,991 | 7,989 | 3,039 |
合格率 | 24.3% | 16.3% | 19.5% | 26.7% | 11.4% |
科目合格者 | 6,215 | 3,811 | 4,234 | 6,010 | 1,773 |
科目合格率 | 17.0% | 11.6% | 13.8% | 20.1% | 6.7% |
合格率は10%前半~20%半ば。令和4年試験から年2回、令和5年の試験からはCBT試験(テストセンターでランダムに問題が出題される)も導入されるということで、合格率がどのように変化するか注目。
理論や機械と比べ特別合格率が低いことはありません。
合格基準点
平成28年 | 55点 |
平成29年 | 55点 |
平成30年 | 55点 |
令和元年 | 60点 |
令和2年 | 60点 |
合格基準点は60点だが問題の難易度などによって下げられることがあるが、55点の年も多い。
令和5年試験からCBT試験導入で問題がランダムに出題されるため合格基準点は60点で固定される。
参考記事:「電気主任技術者試験の受験資格、申込~受験~免状取得までの流れ」
配点と合格点、出題形式
A問題とB問題の2種類からなります。
A問題は1問5点。14問の70点
B問題は1問10点。2問は必修問題、選択問題が1問で30点。合計100点満点。
5肢択一式
合格点は60点。
試験当日は14:15~15:45の90分
B問題は難易度が高くそれをどこまで解けるかがポイントと言えます。
A問題14問すべて正解するのは難しいのでB問題をいかに解けるように勉強できるかを重視して対策すべきでしょう。
また、計算問題がそこまで多くありませんが配点の高いB問題に計算問題が多いです。
問題数 | 計算問題 | それ以外 | |
A問題 | 14問 | 4~8問 | 6~10問 |
B問題 | 3問(4問中) | 3問 | 0~1問 |
計算問題が半分程度を占めていてきちんと対策して得点源にしたい。
知識問題より計算問題を得点源にしたいのは、学習効率の良さです。知識問題の出題範囲を広げることは簡単ですが、対策しようと思っても範囲が膨大で効率が極めて悪いです。計算問題は出尽くしていて過去問を解くことで効率的に学習することができます。
参考記事:「電験三種~数学のレベルと試験でどう使われるか~」
参考記事:「電気主任技術者試験の受験資格、申込~受験~免状取得までの流れ」
出題傾向
電験三種の機械の出題傾向
平成28年~令和2年までの5年間の出題数
直流機 | 11 |
変圧器 | 11 |
誘導機 | 12 |
同期機 | 12 |
四期複合問題 | 4 |
電動機応用 | 7 |
パワーエレクトロニクス | 14 |
照明 | 5 |
電熱と電気加熱 | 6 |
自動制御 | 8 |
情報 | 12 |
電気化学その他 | 7 |
広く感じるかもしれませんが、「直流機」、「変圧器」、「誘導機」、「同期機」の4分野(四機複合問題含む)で半分以上出題されている、頻出の「パワーエレクトロニクス」と「情報」を重点的に学習することで得点源とすれば合格に近づけます。
近年「パワーエレクトロニクス」出題は増えており、上記4分野と同じくらい対策をしたい分野です。「パワーエレクトロにクス」は理論の「電子回路」の内容と深く関わっており、「電子回路」をマスターしてから勉強するのが効率が良いでしょう。
過去問
直流電動機で正解できれば差をつけられる問題
文章で書かれてイメージしにくく難しい問題
問15はB問題で小問各5点の合計10点です。
B問題といっても特別難しいわけではありません。きちんと対策することが必要です。
攻略法
「直流機」、「変圧器」、「誘導機」、「同期機」、「パワーエレクトロニクス」、「情報」から試験問題数の7割前後出題されていて、きちんと学習して得点源とするのが合格への最短ルートです。
直流機、変圧器、誘導機、同期機は直流回路、交流回路、三相交流回路、電磁力の知識が必要で、パワーエレクトロニクスには電子回路の知識が必要なので理論の勉強をきちんとしておくことが必要です。
B問題の選択問題は「情報」「自動制御」「照明」「電熱と電気加熱」から2問出題され、必須問題は「直流機」、「変圧器」、「誘導機」、「同期機」、「パワーエレクトロニクス」から2問出題されることが多いです。