・過去問とその攻略法
電力をどんな試験だと思っていますか?
実は電力という科目は電気を知らない人でも勉強しやすい科目です。発電所、送電、配電などイメージしやすく送電や配電は現物を探してみることもできます。。
この記事では電力の特徴と試験の各種データ、過去問とその攻略法について書いてあるので電力の特徴と攻略法を掴みましょう。
電力の出題範囲
「発電所及び変電所の設計及び運転」、「送電線路及び配電線路の設計及び運用」、「電気材料」の 3つの分野より出題されます。
より細かく分けると発電所は水力、火力、原子力、太陽光や風力のその他の発電所。変電所、送電、配電、地中配電路と電気を送る工程。電気材料、電力計算、線路計算、電線のたるみと支線に分けられます。
電気の知識がない人が勉強始めるとき一番取っ掛かりやすいのが電力です。覚えれば得点しやすいですし、覚えることも発電所、送電線や配電線などイメージしやすい。配電線や送電線は探せば現物を見るのは簡単なのでイメージはできやすい。
受験者数、合格率、合格基準点のデータ
受験者数、合格率など科目のデータ
試験データ
平成28年 | 平成29年 | 平成30年 | 令和元年 | 令和2年 | |
受験申込者 | 58,278 | 59,128 | 57,338 | 51,501 | 47,982 |
受験者 | 35,352 | 36,721 | 35,351 | 30,920 | 29,424 |
合格者 | 4,381 | 4,987 | 8,876 | 5,646 | 5,200 |
合格率 | 12.4% | 13.6% | 25.1% | 18.3% | 17.7% |
科目合格者 | 3,083 | 3,343 | 6,303 | 4,230 | 3,601 |
科目合格率 | 8.7% | 9.1% | 17.8% | 13.7% | 12.2% |
合格率は10%前半~20%半ば。令和4年試験から年2回、令和5年の試験からはCBT試験(テストセンターでランダムに問題が出題される)も導入されるということで、合格率がどのように変化するか注目。
合格基準点
平成28年 | 55点 |
平成29年 | 55点 |
平成30年 | 55点 |
令和元年 | 60点 |
令和2年 | 60点 |
合格基準点は60点だが問題の難易度などによって下げられることがあるが、55点の年も多い。
令和5年試験からCBT試験導入で問題がランダムに出題されるため合格基準点は60点で固定される。
参考記事:「電気主任技術者試験の受験資格、申込~受験~免状取得までの流れ」
配点と出題形式
A問題とB問題の2種類からなります。
A問題は1問5点。14問の70点
B問題は1問10点。3問の30点。B問題は小問2問付いており1問各5点。
B問題は3問すべて解答方式で選択問題はありません。
合計100点満点
5肢択一式
試験当日は11:25~12:55の90分
B問題は難易度が高くそれをどこまで解けるかがポイントと言えます。
A問題14問すべて正解するのは難しいのでB問題をいかに解けるように勉強できるかを重視して対策すべきでしょう。
電力は計算問題が少ない。
問題数 | 計算問題 | それ以外 | |
A問題 | 14問 | 1~4問 | 10~13問 |
B問題 | 3問 | 3問 | 0問 |
電力は計算問題は少ないので計算問題が苦手な人にとっては嬉しい科目ですが発電の出力、線路計算などの計算問題があります。
A問題は知識問題が圧倒的に多いのですが、B問題は計算問題。
30点あるB問題以外にA問題にも計算問題はあるので、30~45点くらいになるため、計算が苦手だからと諦めてはいけません。
参考記事:「電験三種~数学のレベルと試験でどう使われるか~」
参考記事:「電気主任技術者試験の受験資格、申込~受験~免状取得までの流れ」
出題傾向
電験三種の電力の出題傾向は、
火力発電所、水力発電所、送電に関しては毎年出題され、複数問出題される年も多いです。原子力発電所、その他の発電、配電、変電、地中電線路、電気材料なども毎年1問程度出題されます。
計算問題では電力計算は必ず出題されるので絶対に解けるようにしましょう。
出題範囲は特定の分野に偏らないので苦手分野を作らないように勉強することが大切です
電力計算は毎年複数問出題されるので絶対に解けるようになるまで勉強しておきましょう。
電力は電気を勉強したことがない人でも取っ掛かりやすい科目でかつ暗記分野も多いので勉強しただけある程度まで点数は取れるようになります。ただ、この段階では合格ラインに達しないのでそこからの努力でいかに1つでも多く正解できるか、取りこぼしを減らせるかが大切です。
過去問
水力発電の基本事項で絶対に正解しないといけない問題
真空遮断器の基本事項で絶対に正解しないといけない問題
電力計算の一例。
A問題は1~14問まで、B問題15~17問。
B問題で小問各5点の1問10点、合計30点です。
A問題は知識問題が多く過去問を解いただけ覚えられますから積極的に過去問を解いて得点を稼ぐようにしましょう。
計算問題が苦手でも何度も勉強して小問1問だけでも正解できるようにしたほうが合格にはグッと近づきます。
攻略法
A問題は基本的な項目を覚えたら、過去問を10年分、15年分を何度も解くことで覚えることをおススメします。
この方法は過去問から似た選択肢が出題される場合は有効ですが、過去問以外から出題される場合には対応できませんが、それ以外まで学習範囲を広げると膨大となってしまい効率が悪くなります。
分野では「火力発電所」「水力発電所」「送電線路」は毎年多くの問題が出題されるので得点源にできるように勉強しましょう。
計算問題は何度も過去問を解いて解き方を覚えましょう。計算問題でほかの人と差をつけて合格するのがベスト