合格できる3つの注意点と技能試験勉強の進め方など
を紹介しています。
「第1種電気工事士の技能試験を2種と一緒だと思っていませんか?」、「2種の技能試験ちょっと練習すれば合格できたから1種も簡単じゃない?」
と思っているあなた、その考えやめた方が良いですよ。
第1種電気工事士の技能試験は2種に比べて難しくなっています。何より作業量が圧倒的に多いので日頃から電気工事をしている人が合格できるようになっている試験です。
この記事では第1種電気工事士の技能試験合格するための3つの注意点、技能試験対策の進め方、勉強スケジュール、勉強の進め方、第2種電気工事士を持っていない人、おススメの工具、練習材料、テキストの紹介などをしています。後半では実際に練習する際の時間配分のおススメ、不器用な人、仕事で電気工事やっている人、試験本番で大切なこと、講習会、通信教育の紹介と第1種電気工事士の技能試験受けるにあたって悩ましいところ一通り解説しました。
- 複線図の書き方と変圧器を理解して、実際に公表問題で書けるようにする
- 欠陥の判断基準を理解し、意識して作業できる
- 制限時間内に余裕をもって課題を完成させられるようにする
ホーザン(HOZAN) 電気工事士技能試験工具セット 基本工具+P-958VVFストリッパー DK-28 特典ハンドブック付 ...
技能試験の3つの注意点
- 複線図の書き方と変圧器を理解して、実際に公表問題で書けるようにする
- 欠陥の判断基準を理解し、意識して作業できる
- 制限時間内に余裕をもって課題を完成させられるようにする
当たり前のことのように思いますが、技能試験は実際の課題を制限時間内に完成させれば合格できます。
3つの注意点を実際の技能試験を踏まえつつ見ていきましょう。
技能試験実際の問題
技能試験は制限時間内に実際の電気の配線を完成させる実技試験です。
技能試験は筆記試験合格後に受験できます。
公表10課題の中からいずれか1つが出題されて本番で60分以内に完成させられれば合格です。
施行条件を含んだ単線図を複線図にして、実際に作っていきます。
施工条件は必ず読みましょう。読んでおかないとミスする原因ですよ。
第1種電気工事士では施工条件などが一部変更になることは珍しくありません。
複線図丸暗記では対応できません。
複線図と変圧器を理解しておかなければ合格できないようにできているんですよ。
複線図化すると
これは黒、白と書いてありますが、実際に自分で書くときは3色あるいは4色ボールペンで色を決めて書くと良いですよ。
例えば黒線は黒色、白線は青色、赤線は赤色。
【完成例】
出典:一般財団法人電気技術者試験センターの令和元年公表問題No.1より引用
制限時間内に欠陥なく完成させられれば合格です。
2種との技能試験の違い
第1種電気工事士受験する人のほとんどは2種を持っているので2種の問題と比べてみました。
2種と1種比べたとき、時間内で求められる作業量が圧倒的に増えています。
合格率を比べると
参考記事:第1種電気工事士試験内容
作業内容は増えて、難しくなっていますが合格率は1種と2種ほとんど変わっていません。
受験者が電気工事を仕事として行っている人たちがほとんどで受験者のレベルが高くなっています。
技能試験自体も難しいものとなっていて、2種と同じで簡単に合格できると考えると痛い目を見ます。
作業量が多くて制限時間に余裕がないため、ミスをしてやり直す時間がないのが第1種電気工事士の技能試験です。
どういうケースが欠陥となるか理解して、欠陥を作らずにミスなく意識して作業できることがとても大切になります。
試験本番では、緊張している、作業スペースが小さい、周囲の受験生に惑わされるなど色々な理由で練習より時間がかかってしまうことがよくあります。
練習段階から制限時間を切るようにしておかないと合格は出来ません。
1種は技能試験が難しくなっていて複線図を理解して正確に早く作業できることが合格に近づく方法だとわかります。
技能試験を落ちてしまう人
- 複線図を書き間違えた、書かずに作業をして間違った配線などをした
- 欠陥に気づかなかった、気づいたけど修正する時間がなかった
- 時間内に完成しなかった
この3つのケースに当てはまります。
合格するにはこれらのケースに当てはまらないように作業することと練習時から意識していくことが大切です。
つまり、最初の
欠陥の判断基準を理解し、意識して作業できる
制限時間内に余裕をもって課題を完成させられるようにする
を日頃から意識して練習することで本番でも合格できるんです。
技能試験対策の進め方
技能試験の勉強時間スケジュール
技能試験対策は筆記試験後から技能試験までの2か月間で進めるべきです。
技能試験合格に必要なのは公表10課題を2-3周練習できれば合格できます。
最初は第1種電気工事士の技能試験の作業量の多さに時間がかかってしまうので土日など時間がしっかり取れる日をおススメします。
最初は制限時間60分の課題に2時間かかってしまうこともよくある…。
最初は休みの日に慣れてくれば作業は早くなるので平日に作業できますよ。
2か月あるので最初の1か月で変圧器回路の理解、KIPケーブルを剥く練習と10課題を1周回しましょう。
残った半月(2週間)で10課題を毎日1つずつ1周+制限時間以上時間がかかっている課題をもう1回練習することで試験に臨みましょう。
合格発表後の1.5か月間
筆記試験から約2週間後にweb上で合格発表があるのでそれから準備を始める場合
工具、材料、テキストはすぐ揃えて、変圧器回路の理解、KIPケーブルを剥く練習などをすぐにしましょう。
課題の練習は土日に1日2-3課題作ってみるようにして最初の2週間で10課題を1周しましょう。
次の2週間で10課題を毎日1つずつ1周練習して制限時間と欠陥なく完成できるようにします。
ラスト2週間は制限時間以上時間がかかっている課題をもう1回練習することで試験に臨みましょう。
工具、テキスト、材料などは筆記試験後に自己採点で60点以上の場合に材料や工具を買って練習していけば合格できます。
ただし、練習用の材料は筆記試験後値上がりするので筆記試験合格できる自信がある場合は事前に買った方が安くなりますよ。
参考記事:合格できる勉強法【第1種電気工事士】
技能試験対策の勉強の進め方
テキスト、工具と材料をそろえましょう。
第2種電気工事士の技能試験の本などは合格していることが前提です。
①変圧器の回路理解とKIPケーブルを剥く練習
最初はいきなり公表課題を作るのではなく、KIPケーブルを剥く練習と変圧器の回路の勉強をしましょう。
KIPケーブルはホームセンター等では売っていませんがamazonにありました。
KIPケーブルは第1種電気工事士で使うもので中々売られていませんし練習する機会もありません。
でも作業はやりにくいのでamazon等で購入して練習してみることをおススメします。
同時進行で変圧器の回路図を技能試験対策用のテキストで勉強しておくことを忘れずにね。
複線図書くときは3色あるいは4色ボールペンがあると便利。
②作業内容を理解する
基本的な作業の練習をした後はいきなり課題を作るのではなく、まず作業内容を理解するためにテキストを読みましょう。
おススメのテキストは「ぜんぶ絵で見て覚える 第1種電気工事士技能試験すい~っと合格」です。
どういう作業があるか注意点含め書いてくれているので読んでみましょう。
単位作業を理解した後に最初に作るつもりの公表課題の解説を読んでください。
③公表課題の作成
解説を読んだ公表課題を実際に作ってみてください。
このとき時間はどれだけかかっても構いません。
60分の時間制限ですが2時間かかることもあるので時間は気にしなくてOK。
④公表課題が出来たら採点してみよう
テキストに欠陥となるケースは一通り説明されています。
2種合格している人だと欠陥となるケースは一通りわかっているのでそのページで確認して採点してみましょう。
➄公表課題をどんどん作って、採点してミスなく完成させられるように練習しよう
1つ公表問題を作って採点できたら、どんどん公表問題を作って採点していきましょう。
ミスなく完成させられるか、時間内にできるかなど練習していく中で完成度を高めていこう。
第1種電気工事士の技能試験は時間との勝負になります。できるだけ無駄な作業は省きましょう。
1種でよく使うKIPケーブルとCVVケーブルの剥き方と端子台接続の注意点
1種電気工事士試験だと2種にはない、KIPケーブルとCVVケーブルを扱うのでどう剥いたらいいか悩みます。
端子台につなぐことも多くなってケーブルが抜けたりします。
KIPケーブルの剥き方
KIPケーブルは電工ナイフで剥きましょうという人がいますけど、技能試験は時間がないのでできるだけ早く作業できるのが良いです。
ストリッパーを使うのがおススメです。
の刃の部分を使って切り込みを入れる、あるいは1.6×3cの所で2回ほど甘噛みさせて切れ込みを入れるどちらかの方法がおススメです。切れ込みが入ったらペンチで引っ張れば簡単にきれいに被覆は取れますよ。
僕は1.6×3cの所で2回ほど甘噛みさせました。
KIPケーブルは多少強く噛んでも傷つきにくいですし気楽に作業できました。
CVVケーブル
CVVケーブルは電工ナイフを使う人、ストリッパーで被覆剥くって人がいます。(VVRケーブルも同じ)
電工ナイフが時間がかかるのでおススメしません。慣れてめちゃくちゃ早い人ならまだしもそれ以外の人にとっては時間がかかってしまうのでやめたほうが良い。
ストリッパーって方法もあるんですけど、ストリッパーは1.6×2c、2.0mm×2cなどを使って甘噛みますが、どのくらい甘噛みさせたら良いかの感覚がつかみにくいことと、必要以上に力を入れるとすぐに絶縁被覆に傷がついてしまうのが嫌なのでおススメしません。
練習時に刃の調整だけしておくと後はミスなく作業できるのでこれで作業するのがおススメですね。
端子台接続の注意点
端子台を使う作業は1種ではすごく多いんですよね。
端子台に接続するときは1本だと必ず端子台の左側に線を差し込みましょう。
端子台を締めるときに締まる方向なのでケーブルが抜ける確率が下がります。
2本差すときは右側も使うので、締めていく途中に抜けてしまうことがありますよ。
第1種電気工事士の技能試験は制限時間が厳しく中々完成できない人がいます。
そういう人は一つ一つの作業を見直して早くできる作業はないか、道具を変えたらなど色々とやってみましょう。
第2種電気工事士持っていない人
第1種電気工事士の技能試験対策本は2種の技能試験合格者が前提で書かれています。
第2種電気工事士を受験していない、持っていない人が1種技能試験受ける場合はハードルが高くなりますよ。
1種合格するために、まず2種の技能試験の勉強をしましょう。
具体的には
2種の対策本おススメは「ぜんぶ絵で見て覚える第2種電気工事士技能試験すい っと合格」です。
欠陥となるケースの勉強と複線図の書き方を覚えましょう。
VVFケーブルを剥いてみて、輪作りや圧着などの作業を練習してください。
その後1種の対策本を買って、変圧器の理解とKIPケーブルを剥く練習をします。
実際の公表課題を作って練習しましょう。
2種を合格した人に比べると明らかに時間がかかりますが、それは仕方ないので割り切って頑張るしかありません。
おススメの工具、練習材料
がおススメです。
ホーザン(HOZAN) 電気工事士技能試験工具セット 基本工具のセット DK-29 特典ハンドブック付 & VVFストリッ...
フジ矢 ケーブルハンディカッター 240mm
KIPケーブルをペンチで切りにくいときにおススメ。仕事でも重宝する工具です。
とりあえず検討しているなら見てみることをおススメします。
ホーザン(HOZAN) 第一種電気工事士技能試験 練習用部材 DK-63 3回セット 特典ハンドブック
おススメ度☆☆☆☆
参考記事:おススメの工具、テキスト【技能試験】
おススメのテキスト
ぜんぶ絵で見て覚える 第1種電気工事士 技能試験すい~っと合格2024年版
おススメ度☆☆☆☆
本書の最初に欠陥となるケースをあげていて注意しなければいけないことをわかるようにしていていい。
作業シミュレーションで実際の作業の進め方、注意点の説明があるのはいい。
公表問題は問題と複線図の解説のみ。
二種合格していることが前提で、作業上の方法や注意点を改めて説明しなくてもわかって当然といえる構成になっている。
参考記事:おススメの工具、テキスト【技能試験】
技能試験時間配分の目安
時間配分の目安として練習の時から使ってほしいですね。
実際に練習する中でこの時間じゃ無理とかあるので自分に合う目安時間を見つけるようにしてもらえるとありがたいです。
作業は
- 施工条件の読み込みと複線図の作成
- 複線図の確認
- 電線カット、被覆剥き、機器への取り付け(すべての機器)
- 配線圧着、接続、ジョイントボックスほか仕上げ
- 見直し。寸法、欠陥事由などの確認
施工条件の読み込みと複線図の作成
時間は3分。施工条件の確認し、電線の色指定、接続方法などを複線図に反映させたものを作成しておくのがコツ。
特に1種は施工条件などがテキストと実際の問題では違うので必ず確認しましょう。
ケーブルの切断寸法、リングスリーブの指定など全ての条件を複線図に書いておくと後から確認するときに安心です。
複線図書くときは3色あるいは4色ボールペンで書くのがおススメ。黒線はクロ、赤線はアカ、白線はアオというように色を変えて書けるのが良いんですよ。
複線図の確認
時間は1分。施工条件、配線ミスがないか確認。
ここでのミスは命取りになるので絶対にミスをしないように。
電線カット、被覆剥き、機器への取り付け(すべての機器)
時間は35分。書いた複線図にケーブルの切断寸法も書いておけば、複線図を見ながら電線カット、被覆剥きを行うのでミスをする確率を減らせますよ。
その後各機器への取り付けはビスを落としたりしないように注意しましょう。
各機器をバラバラに置いたらわかりにくいので複線図の向きに合わせて置いておけば後から便利ですよ。
配線圧着、接続、ジョイントボックスほか仕上げ
時間は15分。差し込みコネクタの先に心線が見えるか、圧着が正しくできているかなどミスがないように作業をしてください。
複線図に圧着の指示、差し込みコネクタを書いておくと確認しながらできるので良いですよ。
第1種電気工事士の技能試験で時間に余裕はないのでミスをすると致命傷となる可能性があるのでできる限りミスなく作業できるようにしましょう。
見直し。寸法、欠陥事由などの確認
時間は5分。心線がはみ出していないか、ケーブルの長さが著しく違わないかなど欠陥事由となるところを確認してください。
最後に施工条件、単線図と複線図、欠陥事由となりうるところなど確認していきます。
きれいに仕上げましょう。雑な仕上げだと試験官が合否判定で見ていくときに細かく見られてしまいやすいです。
きれいに仕上げてあると確認する時間、箇所ともに減るので合格にはきれいに仕上げた方がお得ですよ。
全部終わったらゴミを片付けましょう。
この時間配分を目安に練習して10課題全部で60分以内に完成できるようにしましょう。
制限時間内に中々完成できない人は一つ一つの作業を見直して早くできる作業はないか、道具を変えたらなど色々とやってみましょう。
参考記事:合格できる勉強法【第1種電気工事士】
不器用な人は?
私自身が不器用な人間で、このタイプです。私自身は散々練習して対策しました。特に輪作りは苦手だったのでとにかく作りました。
全国各地で行われている講習会で技能試験対策が行われますから受けてください。不器用なので時間の短縮、正確な作業を行うためにはだれかに見てもらう、聞ける環境は大切です。また、同じ受講生にいろいろと質問して学べることは学んでください。
後は自分で練習するのが一番です。通信教育の技能試験は受けてもいいです。とにかく練習して人から吸収できることを吸収して少しでも作業を早く進められるようにしましょう。
練習なら作業ごとに時間をある程度計っておいて、作業ごとに短縮可能なポイントを探して地道に時間を短くするしかありません。
仕事で電気工事している人は?
個人差はありますが、日ごろから内線関係の電気工事されているは複線図の確認と欠陥事由をチェックして欠陥となる場合の確認をすることしましょう。
日頃から電気工事されている人でも1種となると作業量は多いので1周作ってみることをおススメします。
1種の技能試験は作業量の多いですし、作ってみることで意外と抜け落ちているところに気づけますからやってみてことは大切です。
試験本番で大切なこと
筆記試験は時間に余裕があるため焦らないこと、終わった後に計算ミスがないか、ケアレスミスがないか確認を行うことです。
技能試験は時間に余裕はありませんが、余裕をもって取り組むことは大切です。
作業スペースが小さいことがよくあります。A3くらいの台紙が置かれていてその中で作業を完結できるようにしましょう。必ず複線図を書いてください。
平常心で臨むこと、確認しながら作業を行いミスを減らしましょう。
ほかの人は作業が速い、焦るかもしれませんが落ち着いて作業をしてください。
講習会を利用する場合
第1種電気工事士の技能試験対策講習会は全国で行われています。
筆記試験終了後に検討してみると良いでしょう。
講習会のメリットは一番は誰かに見てもらえることですね。実際に採点してもらえることで自分では気が付けない問題点が見つかるかもしれません。
他の受講生もいるのでモチベーションを保てますし、参加してみるのは良いですよ。
参考記事:講習会一覧【第1種電気工事士】
通信講座を利用する場合
通信講座で第1種電気工事士の技能試験のみ受講できるのはTACのみ。
TACは添削してもらえるのが良いですね。
それ以外各社筆記試験とセットで販売されています。
詳しくは通信教育比較を見てね。