筆記試験合格して技能試験の勉強始めようと思ったとき、どう進めたらいいかわからない。
具体的な技能試験対策の勉強の進め方、おススメの工具や材料、テキストの紹介。合格できるラインはどのくらいか、試験対策の具体的な進め方、注意点などを紹介します。
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技能試験の内容
公表問題は受験案内に公開されており、その中の1問を本番では作るようになります。
出典:(一財)電気技術者試験センター 2020年第2種電気工事士下期技能試験
単線図で公開されているので
試験本番は施工条件が追加された状態の複線図を書いて
No.1の複線図
実際に支給材料と持参した工具で課題を制限時間内に作ります。
出典:(一財)電気技術者試験センター 2020年第2種電気工事士下期技能試験
実際のものを作るのが試験内容ですね。
技能試験本番は日頃と違う環境での試験、周囲の受験生に焦ることがありますが落ち着いてミスなく完成させましょう。
1種と2種の違い
1種と2種の技能試験での違いは
難易度が違います。
(一財)電気技術者試験センター 2020年第2種電気工事士下期技能試験より作成。
2種と1種比べると、アウトレットボックス、端子台など作業量が増えています。
1種は2種に比べて作業量が圧倒的に増えているので難しくなりますし、制限時間内に完成しない可能性も十分にあります。
制限時間 | 公表問題数 | |
2種 | 40分 | 13問 |
1種 | 60分 | 10問 |
1種は公表問題が減って、制限時間が増えていますがそもそもの問題が難しくなっているので注意してくださいね。
技能試験の勉強法
技能試験は電気工事の実技試験で実際に工具を使って作業することが一番の練習です。
テキストを買って工具と材料をそろえて、実際の公表課題を練習で作ることが試験対策になります。
合格するためのポイント
練習して公表課題を作るときにただ何となく作るのではなく気にしてほしいポイントがあります。
作業後にミスがないか確認すること
時間を管理すること
複線図を必ず書くこと
試験本番では施工条件等が練習時と違うのでそれに合わせた複線図を書かなければなりません。
そこで複線図という状態にします。複線図だとこれをみるとどこにどの線を使うかわかるので、この通りに作っていくでミスなく課題を作ることができます。
No.1の複線図
出典:(一財)電気技術者試験センター 2020年第2種電気工事士下期技能試験
作業後にミスがないか確認すること
誰がやっても作業時にミスをするケースはあります。実際に何がミスなのか確認しなければなりません。
その際、実際にミスと言える欠陥となるケースを理解しておかなけれないけません。
明かな誤結線は誰でもミスだと分かりますが、差し込みコネクタにきちんと差し込まれているか、リングスリーブの圧着後上端の心線を切っていないなど欠陥となるケースを知っておかないとダメですよ。
ミスがないか確認することは当たり前ですが、同時にどういうのがミスなのかわかっていることが大切です。
時間を管理する
試験なので制限時間があって未完成は当然NG。
特に1種は作業量が多くて〇分でどこまでするって決めて時間管理をしないと間に合いません。
参考記事:第1種電気工事士の技能試験を合格できるたった3つの注意点と勉強法
試験勉強をはじめる時期
技能試験の勉強は筆記試験が終わってから始めましょう。
筆記試験合格者が技能試験に進めるので筆記試験以前に対策進めるのは無駄になってしまうかもしれません。
技能試験合格に必要な勉強時間は13課題2周
1日1課題作っても1か月あれば対策できるので
技能試験の制限時間は40分あるが練習すれば20分で完成できます。ただし、技能試験の課題を練習する前に複線図の書き方、基本的な作業の練習などやるべきことが多くあります。
筆記試験後の1か月半
筆記試験後から技能試験までの1か月半で対策する場合
最初はどうして時間がかかってしまうので土日など時間がしっかり取れる日をおススメします。
最初は制限時間40分の課題に2時間かかってしまうこともよくある…。
最初は休みの日に慣れてくれば作業は早くなるので平日に作業をしましょう。
1か月半あるので最初の1か月で複線図の書き方、基本的な作業の練習と13課題を1周回しましょう。
残った半月(2週間)で13課題を毎日1つずつ1周すればOKです。
合格発表後の1か月間
筆記試験から2週間後にweb上で合格発表があるのでそれから準備を始める場合
工具、材料、テキストはすぐ揃えて、複線図の書き方、基本的な作業の練習などをすぐにしましょう。
課題の練習は土日に1日2-3課題作ってみるようにして最初の2週間で13課題を1周しましょう。
残った半月(2週間)で13課題を毎日1つずつ1周すればOKです。
第1種電気工事士の場合
技能試験の勉強は筆記試験が終わってから始めるので大丈夫なので2種と変わりません。
技能試験合格に必要なのは公表10課題を2-3周練習できれば合格できます。筆記試験後技能試験まで約2か月あるので時間は十分にありますよ。
筆記試験後の2か月
筆記試験後から技能試験までの2か月で対策する場合
技能試験対策は筆記試験後から技能試験までの2か月間で進めるべきです。
技能試験合格に必要なのは公表10課題を2-3周練習できれば合格できます。
最初は第1種電気工事士の技能試験の作業量の多さに時間がかかってしまうので土日など時間がしっかり取れる日をおススメします。
最初は制限時間60分の課題に2時間かかってしまうこともよくある…。
最初は休みの日に慣れてくれば作業は早くなるので平日に作業できますよ。
2か月あるので最初の1か月で変圧器回路の理解、KIPケーブルを剥く練習と10課題を1周回しましょう。
残った半月(2週間)で10課題を毎日1つずつ1周+制限時間以上時間がかかっている課題をもう1回練習することで試験に臨みましょう。
合格発表後の1.5か月間
筆記試験から約2週間後にweb上で合格発表があるのでそれから準備を始める場合
工具、材料、テキストはすぐ揃えて、変圧器回路の理解、KIPケーブルを剥く練習などをすぐにしましょう。
課題の練習は土日に1日2-3課題作ってみるようにして最初の2週間で10課題を1周しましょう。
次の2週間で10課題を毎日1つずつ1周練習して制限時間と欠陥なく完成できるようにします。
ラスト2週間は制限時間以上時間がかかっている課題をもう1回練習することで試験に臨みましょう。
課題を作る前にやっておいたほうが良いこと
技能試験練習で公表課題を作る前にやっておいたほうが良いことがあります。
複線図を書けないと試験の練習になりません。テキストを購入して複線図の書き方を勉強しましょう。
基本的な作業はケーブルを剥いて心線を出す、リングスリーブで圧着するという作業は実際に数回で良いのでやっておきましょう。公表課題を作るときにスムーズに作れます。
技能試験では必ず問われる技量が輪作りです。輪作りは何度も練習しないとうまくなりません。課題作成後に余った電線とかでも構いませんので輪作りは練習してください。
1種電気工事士の場合
1種で必ず必要になるのがKIPケーブルを剥く作業です。これは慣れが必要ですし、どうやったら早くなるか何度も練習しなければいけません。
KIPケーブルはホームセンター等では売っていませんがamazonにありました。
KIPケーブルは第1種電気工事士で使うもので中々売られていませんし練習する機会もありません。
変圧器がどう複線図化されるかは理解しておかないといけないので事前にテキストで勉強しておきましょう。
技能試験練習方法
公表課題を作って練習していく段階です。
最初はいきなり課題を作る前に作業内容を理解したほうが早く進みます。
①作業内容を理解する
基本的な作業の練習をした後はいきなり課題を作るのではなく、まず作業内容を理解するためにテキストを読みましょう。
おススメのテキストは「第二種電気工事士試験 完全攻略 技能試験編」、1種の場合は「ぜんぶ絵で見て覚える 第1種電気工事士技能試験すい~っと合格」です。
どういう作業があるか注意点含め書いてくれているので読んでみましょう。
作業を理解した後に最初に作るつもりの公表課題の解説を読んでください。
②公表課題の作成
解説を読んだ公表課題を実際に作ってみてください。
課題を作る前に必ず複線図を書いてくださいね。
このとき時間はどれだけかかっても構いません。
40分の時間制限ですが2時間かかることもあるので時間は気にしなくてOK。
1種も60分の制限時間は気にしなくてOKです。
③公表課題が出来たら採点してみよう
テキストに欠陥となるケースは一通り説明されています。
おススメテキストで挙げた「第二種電気工事士試験 完全攻略 技能試験編」は各問題のページで欠陥となるケースが書かれてあって採点しやすいのでおススメしています。
④公表課題をどんどん作って、採点してミスなく完成させられるように練習しよう
1つ公表問題を作って採点できたら、どんどん公表問題を作って採点していきましょう。
ミスなく完成させられるか、時間内にできるかなど練習していく中で完成度を高めていこう。
このとき苦手な作業は余った電線を使って練習しましょう。
参考記事:第1種電気工事士の技能試験を合格できるたった3つの注意点と勉強法
おススメのテキスト、工具、材料
2023年版 第二種電気工事士試験 完全攻略 技能試験編
詳細に説明がされていてきちんと勉強進める人にとってはいい。写真も多くわかりやすい。
欠陥となるケースもきちんと説明されているが、全体的に文字が多め。
問題ごとに欠陥となるケースが説明されているので、問題を作った後に採点するときに重宝するからおススメ。
ホーザン(HOZAN) 電気工事士技能試験工具セット 基本工具のセット
ホーザン(HOZAN) 電気工事士技能試験工具セット 基本工具のセット DK-29 特典ハンドブック付 & VVFストリッ...
参考記事;おススメの工具、テキスト【技能試験】
第1種電気工事士試験のおススメのテキスト、工具、材料
第1種電気工事士試験でも基本は一緒ですがおススメの工具が一部追加してあります。
ぜんぶ絵で見て覚える 第1種電気工事士 技能試験すい~っと合格2023年版
本書の最初に欠陥となるケースをあげていて注意しなければいけないことをわかるようにしていていい。
作業シミュレーションで実際の作業の進め方、注意点の説明があるのはいい。
公表問題は問題と複線図の解説のみ。
二種合格していることが前提で、作業上の方法や注意点を改めて説明しなくてもわかって当然といえる構成になっている。
フジ矢 ケーブルハンディカッター 240mm
CVVケーブルの外装を剥く際にとても便利。クルクル回して手前に引っ張るだけで外装が剥ける便利な工具。
とりあえず検討しているなら見てみることをおススメします。
ホーザン(HOZAN)第一種電気工事士技能試験 練習用部材 DK-63 3回セット 特典ハンドブック
時間配分のおススメ
練習のときからどのくらい時間がかかっているのか確認しましょう。
もし時間オーバーするならどこか時間短縮するときに有効です。
- 施工条件の読み込みと複線図の作成
- 複線図の確認
- 電線カット、被覆剥き、機器への取り付け(すべての機器)
- 配線圧着、接続、ジョイントボックスほか仕上げ
- 見直し。寸法、欠陥事由などの確認
施工条件の読み込みと複線図の作成
時間は3-4分。施工条件の確認し、電線の色指定、接続方法などを複線図に反映させたものを作成しておくのがコツ。ケーブルの切断寸法、リングスリーブの指定など全ての条件を複線図に書いておくと後から確認するときに安心です。
練習するときは毎回複線図を書きましょう。書く癖をつけておかないとミスをする原因になります。
複線図の確認
時間は1分。施工条件、配線ミスがないか確認。ここでのミスは命取りになるので絶対にミスをしないように。
電線カット、被覆剥き、機器への取り付け(すべての機器)
時間は15分。書いた複線図にケーブルの切断寸法も書いておけば、複線図を見ながら電線カット、被覆剥きを行うのでミスをする確率を減らせますよ。
その後各機器への取り付けはビスを落としたりしないように注意しましょう。
各機器をバラバラに置いたらわかりにくいので複線図の向きに合わせて置いておけば後から便利ですよ。
1種はここを30~35分以内に終わるようにしましょう。
配線圧着、接続、ジョイントボックスほか仕上げ
時間は10分。差し込みコネクタの先に心線が見えるか、圧着が正しくできているかなどミスがないように作業をしてください。複線図に圧着の指示、差し込みコネクタを書いておくと確認しながらできるので良いですよ。
もし圧着し間違えたら試験官に言ってリングスリーブをもらうようにしましょう。
1種はここを15分以内に終わるようにしましょう。1種はミスをすると時間がなくなるのでミスをしないように慎重かつ早く作業を進めていくように心がけましょう。
見直し。寸法、欠陥事由などの確認
時間は5分。心線がはみ出していないか、ケーブルの長さが著しく違わないかなど欠陥事由となるところを確認してください。最後に施工条件、単線図と複線図、欠陥事由となりうるところなど確認していきます。またきれいに仕上げましょう。
全部終わったらゴミを片付けましょう。
技能試験対策の勉強の注意点
技能試験の会場の机がどんなものかは行ってみないとわかりません。
実際、第2種電気工事士の技能試験会場の机は小さく、作業スペースの確保に苦労させられました。
試験本番は机の上にA3くらいの台紙が置かれており作業スペースとされます。
机は台紙より少し大きいだけで受験票や時計、必要最低限の工具を置くと台紙もいくらか被ってしまうほど小さい場合もあります。
練習するときは場所が狭いことを想定して、少ないスペースで練習(工具、材料、作業スペース含めA3より一回り大きい程度)すると本番の時に小さい机でも問題なく対応できるためおススメ。
技能試験対策行き詰ったとき
ほかの人の作業を見てみるのがいいですが、中々見る機会はありません。
youtubeなどに技能試験の実際の作業動画が多くあり、細かい解説も加えられています。
行き詰ったときはこのような動画で何が良くなく、どう変えたらいいのか考えてみたらいかがでしょうか?
技能試験が不安な人
技能試験がどうしても合格できるか不安な人。手先が不器用でどうしても作業が時間内に終わると思えない人。
苦手作業をとことん練習することは当たり前ですが、講習会や通信教育を利用してみましょう。youtubeなどでは実際の作業動画が多くあり、見てみることも大切です。
参考記事:第2種電気工事士講習会
参考記事:第1種電気工事士講習会