同じ問題が何度も出題される、過去問の解き方、復習をするタイミング、おススメ勉強法、計算問題は捨てるべきか、どこを勉強するか?、目指すべき合格ライン
学科試験合格目指すとき、「どう勉強したらいいかわからない。」、「効率がいい勉強法を知りたい。」って悩みますよね。
この記事では、同じ問題が何度も出題される、過去問の解き方、復習をするタイミング、おススメ勉強法、計算問題は捨てるべきか、どこを勉強するか?、目指すべき合格ラインという学科試験の勉強進めていくうえで必要なことを一通り書きました。
参考記事:「合格できる勉強法【第1種電気工事士】」
参考記事:「合格できる勉強法【第2種電気工事士】」
本ページでの問題は(一財)電気技術者試験センター 第2種電気工事士試験問題と解答より引用し、筆者が一部編集しております。
同じ問題が何度も出題される
電気工事士試験は過去に出た問題とほぼ同じ問題、選択肢が毎年多く出ています。
例.第2種電気工事士試験より
出典:(一財)電気技術者試験センター 第2種電気工事士試験問題と解答
2018年下期と2019年上期筆記試験で同じ画像で用途を答える同じ問題が出題されました。
出典:(一財)電気技術者試験センター 第2種電気工事士試験問題と解答
2019年上期と2018年下期で選択肢を入れ替えただけの同じ問題が出題されました。
出典:(一財)電気技術者試験センター 第2種電気工事士試験問題と解答
2020年下期午前試験と2018年上期試験で似た選択肢が存在します。
同じ問題、似た選択肢など過去に出題された問題が何度も出題されます。
つまり過去問を解くことで受験する試験で出題される可能性が高い問題を解くことになり合格への最短ルートです。
過去問の効果的な解き方
過去問を解くことは合格への最短ルートになります。
ただ、過去問を解くだけでなくもっと効率的な過去問を解く勉強法があります。
「テキストを読んで、問題を解く。その問題をすぐに解説を読んで正しい答えと間違いの選択肢はどういうものが正しいのか?ということを理解するようにする。関連することまで覚える。」
言葉で言われても今一つピンときません。
具体的な勉強法(鑑別など)
①テキストを読む
全てのページを一気に読む必要はありません。数ページずつ読んでいきます。
おススメのテキストは「ぜんぶ絵で見て覚える第2種電気工事士学科試験すいーっと合格」、1種は「ぜんぶ絵で見て覚える第1種電気工事士学科試験すいーっと合格」の例えば器具のページを覚えます。
②問題集を解く
勉強した内容の過去問を解いていきます。
おススメの問題集は「すい~っと合格赤のハンディ ぜんぶ解くべし!第2種電気工事士 学科過去問」、1種は「すい~っと合格赤のハンディ ぜんぶ解くべし!第1種電気工事士 学科過去問」の器具の過去問を解いていきます。
すい~っとシリーズは分野ごとに問題がまとまっていてこの勉強法には向いています。
ちなみに過去問を探すときは左ページに問題、右ページに解説があって、解説の下の所にぜんぶ絵で見て覚えるシリーズの該当するページが書かれているのでそこから探すと良いでしょう。
出典:(一財)電気技術者試験センター 第2種電気工事士試験問題と解答
この問題正解は「二」のタイムスイッチ
見分けるところは時間設定部(時計に似た部分)、図記号が「TS」であること、タイムスイッチの役割は設定した時間で電気機器を動作させる。
③関連することまで覚える
機器の写真、名称、図記号、役割、見分け方まで覚えるようにしましょう。
さらに、電力量計、調光器、自動点滅器でも同じように写真、図記号、見分け方、役割などを理解し覚えることまでできれば一番いいですけど、解説が書いてある場合のみでOK。
それよりは問題を解くことを優先しましょう。
別の問題の不適切な工事方法だと
出典:(一財)電気技術者試験センター 第2種電気工事士試験問題と解答
この問題正解は「ロ」
不適切な工事方法はCD管を使用するところ、PF管であれば配線できる。
CD管は自己消化性がなくコンクリート埋設用で使われています。
間違いの選択肢でどこが違うのかを理解すること、正しい選択肢を覚えること。
電気工事士試験は同じような問題を使いまわしているため、正しい選択肢を一部変えて間違った選択肢として出題されることが多く有効です。
具体的な勉強法(計算問題)
出典:(一財)電気技術者試験センター 第2種電気工事士試験問題と解答
答えは「イ」45W
電力損失の公式を覚えること、今回は単相3線式ですが、単相2線式、三相3線式の公式まで合わせて覚えましょう。
関連することをセットで覚えると、単相2線式の電力損失を求めるときは追加で覚える必要がありません。
復習するタイミング
どんなに勉強しても悲しいけど人は忘れてしまう。
「エビングハウスの忘却曲線」によれば、1ヵ月経つとほとんど忘れてしまう(覚えなおすのに最初に記憶するのと同等の労力が必要)ということですから、1回目の復習が1ヵ月後、というのでは復習の効果は期待できません。脳神経科学の専門家によれば、忘却曲線に基づいて、1回目が翌日、2回目がその1週間後、3回目がその2週間後、4回目がその1ヵ月後、5回目がその2ヵ月後、とするのが理想的な復習のタイミングと言われています。
勉強したあとは忘れてしまうため適時復習することが必要です。
理想は1回目が翌日、2回目がその1週間後、3回目がその2週間後、4回目がその1ヵ月後、5回目がその2ヵ月後ですが、中々うまくいかないことが多い。
1週間でどこか1日というように決まった日に復習するのが簡単で効果的に復習できるでしょう。
復習のやり方
復習といって問題を1から解く場合と問題を簡単に解く場合があります。
勉強した直後に復習する場合は簡単に解いて〇〇が答えでこの選択肢の間違いはどこ
ということを頭の中で思い浮かべる程度でいいでしょう。わからないところは解説やテキストで復習する。
あとから過去問を解くときは1から解いていくようにしましょう。
1から問題を解くことで内容の抜け落ちを防ぐことができます。
筆記試験勉強の進め方(おススメ)
①覚えれば得点できる分野(工事方法、機器。法令など)のテキストを読む。
②テキストを読んだ分野の過去問を解く。
③解説を読んで理解し覚える。正しい選択肢も覚える。
④最後にもう1回問題を解いて復習する1週間の流れ
毎日勉強して、1週間単位でその週の復習します。1か月の流れ
1週間の流れを4回繰り返しますが、忘れてしまうため、2週間たったら、復習しましょう。
最初の1週間勉強した内容はその2週間後復習します。計算問題は後回しにします。
参考記事:「おススメの問題集、テキスト」
1日の流れ①テキストを読む
テキストの2-4ページ読んで覚えます。このとき完璧に覚える必要はなく何となくでOKです。
例えば「電気工事の方法」のテキスト該当ページを読んで、何となくで構わないので理解して覚えましょう。
1日の流れ②覚えた要点の部分の過去問を解く
覚えた要点の部分の過去問を解きましょう。
解く過去問は覚えた部分だけでいいです。
この勉強法は2種は「すい~っと合格赤のハンディ ぜんぶ解くべし!第2種電気工事士 学科過去問」、1種は「すい~っと合格赤のハンディ ぜんぶ解くべし!第1種電気工事士 学科過去問」が使いやすいですよ。
1日の流れ③解説を読む
1問解いたら、解説を読んで何が正しいか、間違っているか理解し覚える。
出典:(一財)電気技術者試験センター 第2種電気工事士試験問題と解答
この問題の場合は「ロ」でCD管が間違いということを覚える、「イ」、「ロ」、「ハ」の選択肢を覚えること。
1日の流れ④関連知識を覚える
解説を読んで関連知識が書かれていればいいですが、書いていない場合もあります。
必要に応じてテキストを読んで関連知識を覚えたほうがいいですよ。
「点検できない隠ぺい場所で使用できる工事は金属管以外はケーブル工事、合成樹脂管工事(CD管を除く)、金属可とう電線管工事の4種類。」
というような内容です。
最初のテキスト読んだ時に覚えていればいいですが、覚えていない場合は覚えるようにしましょう。
1日の流れ➄最後に復習でもう1回問題を解く
1日の勉強の最後にもう1回問題を解きましょう。
翌日に復習できれば良いですが、私は出来ませんでした。そのため勉強したその日の最後に復習でもう1回問題を解くようにしていました。
もう1回解くことでテキストと問題で覚えた内容をもう一度記憶しましょう。
1週間の勉強の流れ
1週間毎日勉強して土日の時間のある日にその週に勉強した内容の復習をしましょう。
もう1回過去問を解きます。間違った問題はテキストを読んで復習してください。
無駄に思えるかもしれませんが、復習することで記憶は定着されるのでここで怠るとダメですよ。
1か月間での勉強の流れ
1週間の流れを4回繰り返してください。
3回目の復習で効果的なのは2週間後が効果的なので、
1週間目→3週間目に復習
2週間目→4週間目に復習
という復習の仕方をしましょう。
覚えれば得点できる分野から勉強していって計算問題は後回しにしましょう。
ある程度解けるようになって時間をかけて計算問題には取り組んだほうが良い。
最初から計算問題だと挫折してしまう可能性があるので計算問題は最後に学習するのがおススメです。
複線図問題は捨てる
複線図は筆記試験段階では解けなくてもOKです。
複線図に関する問題が3問程度出題されますが、捨ててしまって構いません。
複線図の勉強は時間がかかりますし、筆記試験段階で複線図に時間をかけるよりも計算問題に時間をかけたほうが得点できます。
複線図問題は心線数、リングスリーブの組み合わせ、差し込みコネクタの組み合わせを問う問題です。
出典:(一財)電気技術者試験センター 第2種電気工事士試験問題と解答
この3問は複線うがわかっていなければ解けません。たった3問なので捨てても問題ありませんから捨ててしまうことをおススメします。
計算問題捨てるか、どこを解くか
第2種電気工事士の計算問題は何度も同じ問題が出題されていて捨てるにはもったいない分野です。必ず勉強してください。
絶対に勉強しなければならないのは「配線理論」です。
出典:(一財)電気技術者試験センター 第2種電気工事士試験問題と解答
例年問8~10で出題されます。
配線理論は許容電流を求める問題、幹線の太さを決める問題、配線用遮断器と電流値に関する問題などが出題されます。出題パターンは決まっていて少し学習すると得点できるので絶対に捨ててはいけない分野です。
配線理論は3問中3問正解できるように勉強しなければなりません。
「電気に関する基礎理論」は例年問1~7まで出題されます。
直流回路、交流回路、電気抵抗と抵抗率、発熱量、三相交流回路などから出題されます。全部得点源にするのは難しいですが、抵抗率や発熱量の問題は簡単なので少し勉強すれば得点できるようになります。必ず勉強しましょう。
第1種電気工事士の筆記試験の場合
第1種電気工事士試験では計算問題は難しくなります。
出題ケースが増えるのでそれだけ勉強しなければなりません。
2種の試験内容の復習から始めましょう。ただそれだけ時間がかかるので1種における計算問題は後回しでOKです。
どうしても計算問題がダメというなら捨てることも一つの方法です。
2種と違って難しく簡単に得点にできる分野ではないので、暗記問題をそれだけ覚える必要がありますが戦略としてはアリです。
数学がわからないという人
電気工事士試験で求められる数学は分数、三平方の定理、平方根くらいまで
三角関数は知っておいたほうがいいというレベル
分数の勉強、三平方の定理(ピタゴラスの定理)で直角三角形の長さの比、平方根がどういうものかを理解すること
問題の解き方、考え方を理解することが大切です。
参考記事:「電気工事士試験で必要な数学」
この問題の場合
出典:(一財)電気技術者試験センター 第2種電気工事士試験問題と解答
①の合成抵抗を求める。
4Ω2個の並列の合成抵抗は積/和=4×4/4+4=16/8=2Ω
②の2Ωを足した場合は
2Ωと2Ωの直列接続で2Ω+2Ω=4Ω
③の4Ωと4Ωの並列接続
①と同じため2Ω
④全体の抵抗
全体の抵抗は2Ωと2Ωの直列接続で2Ω+2Ω=4Ω
➄電圧16V、抵抗4Ω
オームの法則より
電流=16V/4Ω=4A
答えは「ハ」4A
目指すべき合格ライン
筆記試験対策勉強してもどこまで勉強したらいいかわかりません。
筆記試験は60%、50問中30問正解できれば合格できます。
完璧を目指す必要はありません。
過去問を勉強で解くときは80点(40問正解)をコンスタントに取れるようになれば合格ラインです。